pretender

Official髭dandismヒット曲で、紅白で初めてこの曲を知ったという時代遅れな自分だ。

う、なんだ、この歌の世界は!

こんな歌詞の歌を、これまでに自分は聞いたことがないような気がする。

 

恋は成就していて二人は交際を開始している。だが、男の方には自分が不相応のような気がして、自分が背伸びしているように感じられて、居心地がなんだかよくないのだ。やがてやってくる破局を男の方は一方的に感じてしまい、そしてその不安を押さえつけることができずに彼女に心の中で言うのだ。グッバイ!と。

交際していて、傍目はうまくいっているのに、自分は釣り合わないと思えてならない。どんな風に付き合い始めたのかは歌詞からはわからないが、違う出会い方だったならば、と、悔しく感じながら過ごしている。やはり相手を素敵だなと想う気持ちを抑えることはできないままに。

君はきれいだ。

と、告げるのが精一杯。

好きだよ、と、言わない。好きだよと告げる資格は自分にはない、と、彼はそう思っているのだ。大好きなのだ。大好きだからこそ、一緒にいる時間に背伸びをしてしまうし、そんな風に騙している自分が我慢ならないのだ。

 

恋の歌は、片恋を募らせる歌、相手にふられる歌、ふられた後の歌、成就したあとの愛の交歓の歌、相手を思い出す歌、大体この辺のどれかの分類に帰するのだけれど、この歌は斬新ではないか?

自分の思いよ届け!という歌は多い。が、実は届いた後が片恋よりもツライことがある、と思っている。そんな歌をどうしてみんな歌わないのだろうかと物足りなく思っていた。

この新星のバンドグループは易々とその穴を埋める。そして、君の運命の人はボクじゃない、と、告げる。相手を好きだけれど、むしろ好きだからこそ、それがわかってしまうのだ。

君のことを考えるとボクは君と別れるべきだ、と。

どこまで優しいんだよ、と言いたくなるような歌が今の時代の歌なのだな。

紅白を見ながら思った。

 

俺はお前を愛してる、だから黙ってついてこい!のような歌には、こういうべきなのかもしれない。

グッバイ!と。