風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

二月の勝者

 

中学受験をテーマにした塾を舞台にした漫画だ。

息子も無事に受験に成功した今となっては落ち着いて楽しめる。そうしてこの漫画を「受験が終わったので読む」と言っている息子も、色々考えているのだなと。実際に受験している最中には、この話を漫画として楽しむのは難しいと思う。かなり生々しく実際の現実をベースに描いているからだ。

3月から話は始まり、そうして時間が着実に過ぎていく。3月に起きること、4月に起きること、を、約7人の生徒たちのそれぞれの事情や性格をそれぞれに追いかけながら、それぞれごとに起きる問題、そしてその解決を追っていく。主人公の塾の講師は、元カリスマ講師で超大手の進学塾からもう少し小さい塾に移ってきた。彼には彼の苦い「失敗」の思い出があり、それを乗り越えるために、子供たちの指導に身を削っている。

「塾」というものの限界をしっかり抑えて、彼は塾をサービス業だと割り切っている。教育のための機関ではなく、お金をもらって、子供の合格率を高めるのが仕事なのだと。

そんな割り切りを持ちながらも、子供たちの成長を見守る仕事、という微妙なバランスの中で「勝利」を勝ち取るための戦いの日々が描かれる。