風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

SくんとTさん

大学のバドミントン部にいた頃、なにしろ俺は下手くそだし、体力もそんなにないので、下手なくせに頑張っている男子という位置付けで、おまけ的に参加していた。居心地も良かったし、少しは運動しないといけない、という気持ちもあった。

 

同年代のSくんは、すごく痩せていて、淡々としていて、少しとぼけた感じの性格なのだが、バドミントンは抜群にうまかった。すごいなー、と思っていた。家も金持ちだったのか、日産のセフィーロという車を新車で持っていた。そして同期の一番美人だった、Tさんと結婚した。いろいろなことに恵まれている人は、性格も優しいことが多いと思う。

Tさんは美人だったが、優等生すぎて気持ち悪かったので、俺は恋はしなかった。でも、優しくて真面目でいい人だったのでモテるのは当然だよなと思っていた。

大学を卒業してすぐに二人は結婚していた。

 

彼は大学を出て、セフィーロが気に入ったからという理由で、日産に就職した。30年も前の話だ。

今もまだ日産で働いているのだろうか。

日産の株を我が家では少しだけ持っている。株価がどんどん下がっていくのを見るにつけ、ひろゆきが日産の組織のことを厳しくいうたびに、Tさんは幸せにやってるかな、と、うっすら思うのだった。

仕事では苦労してるかもな、と、Sくんのことを思い、人生は単純ではないな、と感じる。