風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

寿命を買い取ってもらった。 一年につき一万円で

 

最近流行りのとんでも設定か、犯罪者か、話の破綻しているエロ系か、と、あきらめ半分でTSUTAUAで借りてきた漫画だが、思いがけずに記憶に残る面白い漫画だった。

寿命を買い取ってもらえる、という設定がすでに御伽話的でリアリティがない。そのリアリティのない世界の中で起きる不思議な出会いと、寿命を売ったものが問題行動をしないようにするための監視員として、主人公に付き添っている「ミヤギ」さんとの間で芽生えていく親愛の気持ちが読んでいていて優しい気持ちになれる。

エロシーンが全くなかったのも好感が持てる。

リアリティのない幻想的なお話なので、そういうのは描かないままでいてほしい。

人生に行き詰まった主人公は自分の寿命や時間を買ってくれる、という店の話を聞き、そこにたどり着く。残された人生の査定は、1年につき10000円というとんでもなく安いものだった。が、それでも彼は自分の残りの人生を30年分売り払ってしまい、そして売らずに残しておいた残りの3ヶ月を、ミヤギさんと過ごすことになる。

ミヤギさんは何故か主人公以外に知覚することができない存在。

そんな彼女にも悲しい過去があるということが読むにつれて、明らかになっていく。