バスを使って南米を横断しようという企画。あるいはヒッチハイク。
使えるお金の上限とか、いくつかのルールが決められた一種のゲームのような感覚でやや過酷な旅をひろゆきたちが「攻略」していくのを楽しむ。横断するのを見届けるというよりも、旅を楽しんでいるそのさまを見て視聴者はそれぞれなりに何かを学べるような仕立てになっている。
すべてに「仕込み」がない。何が起こるかわからないし、どうなるのかもわからない。予定調和的なものがない中、東出とひろゆきはいろいろな人に話しかけてそして手持ちのものでなんとかして、出されたものをうまそうに食べる。
番組として面白いのはつまり「こういうのが見たいんだろ?」と用意されたものではなく、どうなるのかわからないものをただ集めて流して作っているということだ。「水曜どうでしょう」とも番組の作り方は似ている。
俺の嫌いな、画面の端に番組を見ている芸能人の顔などが出てくる画面作りもなく。令和の「深夜特急」を見ているようで面白い。
何が起きるのかわからない。そして起きたことに対処しながら、目指す方向にむかって工夫と忍耐で進んでいく。限られた資源(お金、体力、人脈)の中で。もうこれは人生と同じだと思える。この番組が面白いのは、そういう逆境で生き抜いていけるひろゆきたちの「びっくり人間ショー」的なものをみる面白さと、そして、シナリオのない物語に触れることで、それを克服していく人たちを見ることで勇気づけられるからではないかと思う。
ABEMAテレビの看板番組ができてしまったな。無料で見られる分はひとまず見ておこうと思う。