株取引と人生のバグ

30代の頃の株の取引のやり方と、最近のやり方はあきらかに変わった。

かつては小さい銘柄に幾つも分散させていたが、今は、1つの銘柄に大きく張ってあとは様子を見て損を切ったり利益を確定させるようなやり方になった。だいたい、もう少し儲かりそうかな、という感じがするところで売ってしまう。するとその予想ははずれてしまい、売っておいてよかったとなる。下がってきて、こんなにさがったとはな、というところで買いを入れておく、そしてまたあがったら小さく稼ぐの繰り返し。株価は息を吸ったりはいたりするようにあげさげするので、そのリズムと取引が調和するとあんまり損はしない。

損が出始めたら、損きりしたくなくなるくらいに含み損が大きくなる前に売ってしまう。自分の場合も額が決まっている。それよりも大きいと売るときにためらいが出たり、迷いが生まれるので、その金額になったらすぐに損きりをしている。これも年をとって、さんざん失敗したのでやれるようになってきた。若い頃は、これくらいならすぐに戻るだろう、と思って(そして実際に戻ることもあり)、損きりができなかった。損きりしたあとでもとに戻って、しなくてもよかったのに、とあとで思うかもしれない苦痛が耐えられなかったのだ。

が、今は、あ、思ったのと違ったのか、と思ったら、損きり。

あとで売らずにすんだとわかっても、損きりしないとならないところまでさげたのだから、これはもともと「負け」ていた取引だったとあっさりしたものだ。

こんな損きりの大切さや、利食いの重要性は、株の格言にもあるし、株の本には大抵載っている。だが、自分の欲に負けてしまうのだ。若いうちは。

 

年をとると目も見えなくなるし、行動もあまり活発でなくなる、たくさん食べれなくなる、性欲も衰える。そうなると逆に待つことが苦でなくなるし、失敗を素直に淡々と受け入れられるようになる。年をとっているからお金の使い途は、若い頃よりも減っているのだけれど。

恋愛も同じ。誰かのことを好きで好きで仕方がない時の方が、恋愛は失敗しやすい。別にそんなに執着していない、という時の方が関係は長持ちしやすい。

これを誰かが「人生のバグ」と呼んでいた。欲しいと思っているときに手に入った方が気持ちはいいのだろうけれど、成功率はそのときの方がなぜか低いらしい。