風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

バレットトレイン

伊坂幸太郎の原作を思い切りCGを使って、日本を舞台にした、でも本物の日本ではない世界で繰り広げられる新幹線の中での殺し合いを描いた、はちゃめちゃなアクションコメディ。

主人公はブラッドピットで、真田広之が剣士の役をかっこよく演じている。

ブラッドピットは、とにかく運の悪い運び屋という設定。なので普通の偶然ならこんなに殺し屋が同じ電車に乗るわけないじゃん、と思う展開も許せてしまう。映像世界も現実のような非現実で、リアリティラインがぐずぐずしているので、なんでも受け入れられる気分になる。もうあとはその展開を受け入れて、もういいよ、好きなようにやってくれ、と身を委ねていれば勝手に楽しくなる。

ブラッドピットは好きな俳優で、力が抜けていて、どこか不真面目で、でも憎めなくて、わりと要領がいい、という役を演じている時が好きだ。今回はまさにそれであった。こういうブラッドピットが好きなんだよなー、と、見ているうちに、新幹線は京都に向かっていく。

東京から京都にむかうまでのひかり号の駅が出てくるので、あと何駅で終点の京都だとわかる。それを見ながらどうするんだろう、と思えるのは日本人の特権か。

ツマはこの中途半端な異世界に馴染めなかったらしく、こんなの日本じゃない、と言っていた。このメチャクチャ世界を、日本をちゃんと調べてない、と腹を立てたら見ていてつらいと思う。

そういう意味では、かなり変わった映画なのは確かで、カルト的な人気がありそうだ。俺はこの映画をまた見たくなった。