風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

夜明けのすべて

 

「映画の会」で、「心をやられているのであればオススメです」と映画を見まくっているMさんが俺に教えてくれた。それが「夜明けのすべて」だ。

映画を見に行くことも考えたのだが、夕方しか上映していないのと、細かい背景や気持ちは本を読む方がよくわかるかな、と思い直し、映画を見る前に原作を見てみることにした。本の中には「夜明けのすべて」という言葉が出てこない。いつどういう風に出てくるのだろうと思いながら読んだのだが、最後まで出てこないのがうまい。夜明けのすべて、それはどういう意味なのか、読者に考えろということか。

映画の配役はぴったりな感じだなと思ったし、映画も見てみたいと思った。そのうち UNEXTで300円とかで見られるようになるかな。そのときまで待ってもいいかな。

原因も対処方法もよくわからない持病のようなものをもっていて、人間関係の作り方で苦しんでいる男女の中に芽生える、友情のような助け合いのようなものを温かな目線で描いている。同時に「強運の持ち主」という、瀬尾まいこ氏の本も読んでいるのだが、これも描いている世界が暖かくて楽しく読めた。

村上龍の情け容赦のないリアルワールドの描き方も、それならではの救いの世界に心を洗われるけれど、全体的に温かなトーンで描かれる彼女の本は読んでいるだけでなんとなく癒やしになる。