風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

平手打ち

今年のクリスマスの頃には、もう駒落ちはいらなくなるかと思っていたが、とんでもなかった。息子との将棋の話だ。駒落ちがなくて同じ内容の駒で戦うことを、平手、というのだが、もうすっかり平手で打つのが普通になってしまった。

考える力が強くて、しかも研究熱心な中学生に、初老のおっさんが勝てるわけがない。まあしかし、息子の水につけ込んでなんとか勝ちを拾っているのだが、もう実力としては息子の方が強いのではないかと思う。息子を強くしたくて将棋を教えてきたのだが、いざ息子に勝てなくなると負けた時には、悔しいようなうれしいような気分だ。

来年には、俺ではもう物足りない、といって俺と将棋で遊ぶこともなくなっているのかもな。

百戦百勝

城山三郎の、実在の投資家をモデルに書いた小説だ。彼の本は昔から、価格破壊、という本を大学生の頃に読んだきりだ。話は淡々と書かれていて、感情移入できないのだが、その方がこういう経済のことを書いた話にはいいのだろうか。主人公だけは人物像が出ているが、それでもやはり、なぜこの人はこうせずにいられなかったのか、という踏み込みがないので読んでいて物足りないのだ。が、実在する人をモデルにしているので、その辺は遠慮したのかもしれない。

投資家としての生き方や心得のようなものを、その物語を通じて教えてくれるので、単純なノウハウものよりも心に残った。ので、また別の投資系の小説を見てみようと思う。

フォルテナの瞳

百田尚樹原作の映画化。百田尚樹は何かと我田引水なイメージだし、日本国紀は読みにくくて面白くなかったので、どうなんだろうかと思っていたが、話は誰もがこの設定から想定した通りの展開とラストで、んー、もう少しビックリしたかったかな、という物語。いや、ラストにひとつ、びっくりさせられる話が待っていたのだが、それはなかった方がスッキリしたんじゃないかと思える、蛇足。百田尚樹、話の作り方いまいちなんじゃないかな。

それでも、神木隆之介の演技は相変わらずの隙のなさ。そして有村架純の可愛らしさ、この普通感、芸能人らしさの全然ないふわっとそこにただいる感じは、見ているだけで癒し。有村架純ちゃんをもっと見たいので映画を見ていた、と言ってもいいような作品だった。

カナブン

寝ていると、ブーンと思い音をさせながら部屋を横切っていくものがあった。

あーこれが、ツマがなんか「虫がいるぅ」とか言っていたやつだな、と半分寝ながら思った。しかし俺はもう眠くて仕方がない。別に部屋の中を虫が飛んでいようと、壁を這っていようと関係ない。寝るのだ。しかし寝ていた息子が「なんかいる!」と起き上がって部屋の明かりをつけた。バチンバチンと天井に向かって激突するその虫の姿を寝ながら見上げた。ああ、カナブンだな。このマンションの周りではよくセミとカナブンが階段で死んでいる。カナブンなら何も健康上の心配はない。ほっておけ、と言ったが、息子はティッシュペーパーをバサバサと引き抜いて飛んでいるカナブンを捕獲するつもりのようだ。飛んでいるのは無理だろう。父ちゃん、捕まえてくれないか、と息子に言われた。断った。だって眠いんだもの。

で、結局捕まえられず。

あっちの通路の明かりをつけて、部屋の電気を消せば勝手に明るいところに向けて飛んでいくよ、と教えた。

「父ちゃん頭いい!」と息子に言われた。まだそのセリフは取っておけ。

そんなわけで通路に出て行ったカナブンを息子がティッシュで捕獲。飛ぶのに疲れて休んでいるところをティッシュで5重に包んだらしい。潰して捨てようとしていた。可哀想だから包んだままベランダに置いておけ、と教える。息子もその通りにしていた。

 

翌朝、カナブンがティッシュから脱出してピーマンの裏で涼んでいたのをツマが確認した。おそらくそのカナブンであろう。

不眠

毎日のように朝の4時くらいに起きてしまう。仕事のストレスは今はかなり低いので、もう加齢によるものだと認めるしかない。暑いので寝にくいこともある。起きた後は別の部屋でテレビを見ることにしようと思う。そしてまた寝るのだが、そんなふうに睡眠が途切れ途切れなので昼ごはん食べると必ずそのあとで眠くなる。

コロナ禍とオリンピック

オリンピックを東京で実施することが悲願だったら石原慎太郎は元気だろうか。

オリンピックの選手の一部が新型のコロナをばら撒いたという話が出ているが、やはりオリンピックを開催したことがTOKYOの敗因だよな、と。開催にかけた税金はこれから国民がジワジワと返さなくてはならないし、オリンピックを開催したことで自粛の気分は全く無くなったと思う。オリンピックをやるくらいなんだから、と、酒を飲みに出たり、旅行に行ったりする人があるのは、まあ、我が家もそうなんだけど、仕方ないと思う。

学校の先生が汚い服装で、みんな身だしなみに気をつけろ、と指導しても説得力ないよね。

逆に、オリンピックでさえ中止になるのだから、と、オリンピックをやめていたら、みんな襟をただして真面目に自粛する気分になったろう。我家も旅行を我慢したかもしれん。

 

閉塞感をなんとかするためにツマは模様替えに勤しんでいる、ように思う。

俺は前よりも料理の記事やブログを読むようになった。食べたことのないものを作るのは面白いし、そういうものを食べることで、ちょっとした旅行気分を味わえるからだ。

女の園の星

 

 

TSUTAYAでレンタル。星、というのは人名であって、なんか人気があるとか、憧れの的とか、そういう意味の星ではない。女子校の教師をやっている星先生、3歳の女の子の父、の女子校でのゆるくて少し不思議なエピソードを紹介してくれる脱力系の漫画だ。脱力系だけど絵はわりときちっとしている。ツマが気に入って2度読み直したらしい。女子校で受験校でない学校の女子は、この漫画のようにフワフワとそれぞれに尊重しあいながら、思うままに生きているんじゃないのかな。

その力の抜けた感じがリアルで面白い。TSUTAYAで長い事ずっと貸し出し中だったのだが、ようやく借りれるようになったので借りてきた。

おじさん先生たちもなんとも力が入っていない。もともとはあったのに女子たちとからんでいるうちに吸われてなくなったのか、ないから女子校で働いていられるのか。

世の中、昭和よりも女の人の社会進出が著しいので、男の肩身は狭くなるばかり。女の方が生き物として男よりもエネルギーが強いので、男たちはそんな中での生き残りの道を自分なりにそれぞれ見つけないといけない。

このマンガはそのヒントを男たちに与えてくれる。がそんな理屈っぽいこと考えずになんとなく読んで笑っているのが正しい読み方かな。息子はずっと笑いっぱなしだった。