風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

私は魔境に生きた 2

本は籠城編から、原始生活編に移った。

終戦した事を知らずにニューギニアで暮らしていた8人の日本軍の軍人のサバイバルも、昭和20年の8月を過ぎると戦う相手はオーストラリア軍ではなく、生きていくことそのものになっていく。この頃に原爆が投下されて日本は降伏して終戦した事を知っているので、それを知らずにサバイバルしていた人の話を読むと、悲しいような、おかしいような、なんとも言えない気持ちになる。

 

食べ物に困り、友軍もなく、水に困り、寒さと病気に苦しんでいる彼ら。彼らから見たら、冷蔵庫を開ければ多様な食べ物が備蓄されていて、温かい布団で眠れて、風呂にも好きな時に入れて、刺激のある動画も見たい放題、今の俺の生活は彼らから見たらこの世のものとは思えない極楽であろうと思う。

 

今の自分の暮らしは、ある人にとっては夢のような極楽なのだ、人類が子孫に楽をさせようと積み上げてきたものの上に今自分はいて、その果実を謳歌している。そんな事を言われても仕事はストレスフルだし、気の滅入ることは次々と起きるけれど。

たまに、そういう生死をわけるところで必死に生きてきた人たちから見たら、今の暮らしは夢のようなものなんだよな、ということを思い出してみて、何かに感謝したりしてみるのも良いかも。

 

生きてる、って、すごいことなんだって忘れてた。