風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

希望の歴史

上下巻、ようやく読み終えた。

副題は、人類が善き未来をつくるための18章。人間には、本来的な有効性のようなものや、思いやりのようなものがある、ということを事実ベースで紹介したい論考。立場が人を凶悪にしたりする、という蠅の王、のような話を、実際に起きた似たような事件ではそうならなかったと語る。

あー、人は本来は分かり合えるもので、そうではないと煽り、敵愾心を掻き立てることでもうける、政治家やマスメディアにみんな乗せられているんだな、とわかる啓蒙の本。人を信じることで得られるものの大きさは、人を疑うことで得られるものよりもはるかに豊かであろうことを教えてくれる一冊。

ホモサピエンスよりも個体としては優秀だったと思しきネアンデルタール人が滅んで、なぜホモサピエンスが生き残ったのかというと、そこに助け合いがあったから、という仮説は好きだ。

SNSもテレビのニュースも、人と人が分かり合えないことをより書き立てるけれども、それらに近づけば近づくほど毒されることに、もっと人は自覚的になった方が良いと思う。