風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

葬送のフリーレン

RPGの世界観を借りた漫画やアニメは数え切れないくらいあるので、葬送のフリーレンも似たようなものかと思っていたが少し違う。

まず物語が普通ではない。魔王を倒したら後の話をあえて描いているところが野心的だ。全ての話が終わったはずの世界に、生き残ってそして1000年の寿命を持つというフリーレンという魔法使いが、冒険の旅路をなぞり、その旅路の中にいくつか残っている小さな問題を解決しながら進む。

アニメには力が入っていてとても綺麗。


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音楽もエヴァンコール、鎌倉殿の13人の音楽を作った大御所がアニメの格調を高めている。オープニングもYoasobiである。歌詞も完全に内容に合わせてある。彼らはすでにあるお話をもとに曲を作るのが得意なわけだが、これもかっちりハマってる。

何しろ巨悪が今の所いない。物語の熱をどう保つのか、新しい巨悪を出したら話は台無しだし、俺はそこに試聴する楽しみを見つけつつ見ている。達観して感情のようなものをほとんど感じさせないフリーレンの成長譚。

 

葬送の、なので、もう主たる登場人物はいない。記憶の中にしか。その記憶を巡ることで、しかし彼らはちゃんと話を支えてくれる。実に難しいことに挑んだ漫画だと思うので、俺の好きなこの、盛り上がらず、盛り下がらず、を維持して頑張ってほしい。