風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

PLUTE


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東急に乗るとドアの上の宣伝ビジョンで、Netflixの”PLUTE"が宣伝されている。これは鉄腕アトムの「地上最大のロボット」という原作を下敷きにした、浦沢直樹の漫画を原作にしたアニメだ。実に力の入った作品で、PLUTEという漫画の原作の良さを引き出している。特に North2号の話では、ピアノの演奏をロボットが覚えようとする話なのだが、漫画ではどう頑張っても音楽は出せないわけなので、そこをアニメが十分すぎるくらいにカバーしていた。2日で全話を見てしまった。

PLUTEという漫画は前半しか読んでいなかったのだが、前半はまったく漫画と同じ。きれいにいいアニメとして仕上がっている。

 

浦沢直樹は設定と演出が最高に素晴らしくて、そして出てくる登場人物の表情の細かい演技が最高である。語り方は最高にうまいのだが、物語そのものを作るのはあまり得意ではないのかな、と俺は思う。20世紀少年も、このPLUTEも、最後まで見てみて、結局これはなんだったのだろう、というモヤモヤした感想が残った。主人公たちが戦っていた相手は、なぜそういうことをしたのか、それらが結局よくわからないままだった。ドラマの面白さは「こうとしか生きようのない」人々がその境遇の違いのせいで対立して、そうしてそこに出来事が積み重なっていくところだと思う。だから、登場人物に共感できないといまいち消化不良な感じになるわけだ。

 

最近見た「俺の話は長い」などはそういう点、とてもよくできていた。この人はこう来るよな、という納得感がないと話は面白くないと思うのだが、それがしっかりできている話というのはそんなに多くないような気がする。