ビムベンダース監督、役所広司主演の映画を映画館で視聴。役所広司がずっとトイレを掃除している日々を、何も起こらない映画なら第一人者のベンダース監督が味わい深く掬い上げて、重くて濃厚な感動をじわじわとみるものに与えてくる。役所広司が喋るのは全編を通じて5分くらいであろう。何しろ無口な男を演じている。無口で地味なのだが、幸せそうに日々を過ごしている男。たった一人だけでずっと映画を成立させる役者としての重さには圧倒される。
彼がいるだけで座がもつのだ。
いろいろなことが起こるが、基本的には主人公は変わらない。周りだけが変わっていく。時が過ぎても変わらない、というのがこの映画のテーマなのだ。なので画面も最近の横長ではなくて、昔の4対3の正方形に近い形で映画を作っている。
見に行ってよかった。
挿入曲に、ルーリードという人のPerfect day という歌がある。この歌詞の世界観が映画になっているといってもいいような映画。
オレももっと小説を読みたくなった。ちょうど小説をもっと読もうとしていたので、この映画を見てさらにもっと読もうと思えた。