風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

そしてバトンは渡された

「夜明けのすべて」が気に入ったので、図書館で借りてきた。瀬尾まいこ氏の小説で、永野芽郁主演で映画化している。彼女の小説を読むのはこれで3作目だが、いずれも、少し生きていく上で困難を抱えている主人公が周りの人たちの助けの中で、それを乗り越えながら生きていこうとする話で、心に傷を抱えた人にはすごくおすすめできる。

でてくるのはいい人たちばかりなのが、彼女の小説の中で好きなところだ。

 

 

複雑な事情で父親が3人もいることになった主人公が、最後の父親との暮らしの中で成長する話であるし、そしてその父親自身も娘を育てることになったことで生きていくハリのようなものを見つけていた、という話だ。過去の二人の父親も魅力的に描かれている。

映画は観なくてもいいかな。原作でひたれている余韻のようなものを大切にしたい。

 

映画版を Netflixで見てみたが原作を読了している自分は、映画の「あえて」の感動をねらったサプライズ構成は「ああ、こういう風にしたのか」と見えてしまって、かえってわかりにくくなったのではないかとアラに見えてしまって駄目であった。10分くらい視聴してやめてしまった。永野芽郁石原さとみは好演だった。ああ、こういう感じの人たちだと思うとしっくりくるかもね、と思った。

映画は「嘘と秘密」の部分に力点を置いてドラマチックに仕立てている。それはそれで面白いと思うのだが、小説の中にあった、しんみりする父と娘との関係の方は少し背景になってしまっていると思う。映画にするのって難しいよなあ。


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