特に根拠もなく自分は人よりも優れている、と心の奥底では思っている。そういう人はそういう人なりの落とし穴が人生には用意されていて、人を軽んじて恨まれたり、人に押し付けがましいと煙たがられたり、人を馬鹿にして油断して痛い目にあったりする。
逆に、根拠もなく自分は人よりも劣っている、心の奥底で思う人もいる。そういう人の落とし穴もちゃんと用意してある。自信がなさげなので意志を通しにくいし、人の信用も得にくい。得られたはずの好機を逸する。自分なんてと捨て鉢になり物事が雑になり、生活が乱れたりする。
どっちもどっちなのだが、自分は完全に前者の仲間である。自分には書いたような悪い癖があるのだから、気をつけようとようやく最近、自分を監視する自分が働き出した。株取引の失敗は、まさにこの選民意識のもたらす慢心が招いたものに他ならず、もっと自己否定的だったなら、と悔やまれる。
どんな性格にもその性格なるがゆえの課題が用意されているし、その性格なるがゆえに何かをうまく解決できる、というその何かがあるんじゃないかな、と近頃思う。
我々のこの性格は、何かがうまくやれてない分だけ、何かをうまくやりこなしている。何かをうまくさばけているぶんと同じだけ、何かをこじらせている、とそんなことを思ったりする。