風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

サターンリターン

意味…土星の公転周期が約30年であること。そのことから占星術では、約30年に一度、人生での大きな転機が訪れると言われる。土星は「凶」の象徴であり、この時期に人は自殺しやすいとも言われる。

 

 

だそうです。

 

30歳を迎えた、中村というイケメンが自殺。

死ぬ間際に8人の女性にメールで結婚を申し込んでいた。そして古い知り合いの女性作家の、加地さんは彼をもとに、自分はやがて死ぬよと予告していた男を使って賞を取っていた。彼女にもまた、編集者を離婚させるような、男を沼に沈めるような危うさを持った女性だった。

みたいな話。

なにしろ読みにくい。時間が予告もなく過去に遡るし。物語には不文律として、話に関係のないことは語られないというのがあると思うが、これはそれを全く無視するので、枝葉だらけで、どれが本筋につながるのかわからない。まるで本当の人生を見ているようだ。関係あるのかないのかわからない出来事の連なりを、一方的に浴びせられる読書体験に圧倒される。

読みにくいので何度も前のページを見て、なんでこの人はここにいるんだっけ、これをやってるんだっけ、と、確認させられる。普通ならそんなの失敗作だろうけれど、そういう漫画として受け入れてしまうその画力と熱量がすごい。

謎の8人の女性たちと順に、加地が知り合っていくのが話の中心だ。