風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

寅さんのいた昭和

寅さんは半年に一度上映されて、どこかの町でまた誰かを好きになり、いろんな人たちを巻き込んで騒動を起こしていた。見ている人たちにとっては、寅さんは虚構でありながら、あー、今はこんなところを旅してたのか、という目線で楽しめる不思議な娯楽だったように思う。必ず正月にやるという興行もうまかった。今年は寅さんはここにいるんだ、と感じさせたので。

寅さんの世界の空気感は本当にああいう暮らしをしている人たちがいるかのようなリアリティなので、空の下のどこかで寅さんは今日も旅をしているのではないか、と、そんな気持ちにさせられる。どこかで自分も寅さんにばったり出会いそうな気がしてくる。

そんな映画は世界のどこにもないと思うので、フーテンの寅さんシリーズはいろいろユニークな昭和を代表する娯楽だったろうな、と思える。