風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

九段下 戦中戦後のくらし昭和館

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10年くらい前に神楽坂に住んでいたので、九段下の「昭和館」の存在は知っていたのだが、小さい子供をつれてのんびり見て回るような場所ではないので、ずっとスルーしていた。こうして適応障害扱いとなって自由な時間が食べきれないくらいお皿にのって、それでようやく足を向けたという感じ。

 

昭和館 - 昭和館は、国民が経験した戦中・戦後の国民生活上の労苦を後世代に伝えるのを目的とした、東京都千代田区九段南にある日本の国立博物館です。実物資料の常設展示をはじめ、特別企画展や図書・映像・音響資料の閲覧事業を実施しています。 (showakan.go.jp)

 

昭和といっても靖国神社の横にあるわけなので、戦前と戦後のニュース映像や暮らしぶりなどを展示している。400円で展示物を見た。こんなものを使っていたのか、こんなものを見て暮らしていたのか、と、昭和の世界にしばしタイムスリップできた。自分の憂鬱なんてまったく彼らの暮らしからみたら、埃のようなものだよなと思った。夫が戦死したので遺骨を取りに来るようにと妻に送られた手紙とか、中国やフィリピンから家族に送ったはがきなどを読み、書いた人は亡くなったという情報を読むと、心が痛んだ。

5Fにはニュース映像が無料で見放題の視聴覚コーナーがある。平日の夕方なのでガラガラである。学芸員のお姉さんのような人たちも愛想がいい。暇だからかな。

 

ほんの少しだけだと思うけれど、昭和の戦中戦後の気持ちを持ち越して暗くなりかけた神保町の街を歩くと、タイムマシンで過去から帰ってきたような気分になった。

玉音放送は、日本人が滅亡しないようするために敗戦を認める、と語っていた。が、今は少子化によりまったく思いがけない形で日本人の滅亡が危ぶまれている。誰のせいとも、何のせいともいえない、世の中の動きだと思うのだが、なんともいえない悲しい気持ちになった。