風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

熊野古道、那智の滝、市場

f:id:nonparking:20220802075816j:image

最終日なので着替えの類は宅配便で家に送ってしまう。もう何もかもが隙が無い中之島ホテルは、俺のこれまで止まった宿泊施設の中でもトップだ。料金も安くないし、紀伊勝浦は行きにくいところなので、俺はもう泊まることはないような気がするけれど、読者の中にこちらの方角に旅行に行くことを考えている人がいたら是非検討に加えてもらいたい。

紀伊勝浦からバスで30分くらいのところに、熊野那智神社がある。熊野速玉神社というのもあって、そこも名所なのだがパスしてしまった。熊野那智神社に行く途中に、俺が漫然と憧れていた熊野古道の一部がある。

熊野古道枯木灘中上健次を数冊読んできた自分は漠然と憧れていたのだった。

行ってみた。暑かった。ただひたすらに暑かった。風が全く通らない。汗がただただたまっていく。体育館の中で運動しているような感じだ。うれしいことにほとんど人通りがない。風区で貸し切り状態だ。それはいいのだが、ひたすらに暑い。10代の息子は元気よくどんどん行ってしまった。50代のおっさんとおばさんは、ちょっと頭が白くなりそうになりながらどうにか上へと上っていく。

熊野古道に行ってみたい、というイメージは少し寒くてもの悲しいイメージを持っていたのではないだろうか。暑い。顔は滝の汗だ。飲み物を持ってくるのだったとツマが横で悔やんでいる。話しかけられても俺はもう会話するのがつらい。ただただ階段をのぼりきりたい。

古道に行ってみたい、などと思った自分が間違っていた。ごめんなさい。

途中で、自由に使ってくれ、という感じで杖が置いてあった。地獄に仏、これを使いながらどうにか登っていく。

途中の茶屋で、冷やし飴を飲んで、しそジュースを飲んで、とにかく水分補給。

そして那智の滝まで歩いて行く。

f:id:nonparking:20220802075738j:image

那智の滝までまた段を降りていく。旅行で食べ過ぎて肥えてしまった体をもてあまして、一段一段が軽く地獄。滝の近くはマイナスイオン爆裂。気持ちよかった。

バス停までもどって紀伊勝浦駅へ。紀伊勝浦駅の近くにある、市場のようなショッピングモールのようなところで15:00頃であったが、遅すぎる昼ご飯。マグロ丼を食べる。やはり紀伊勝浦はマグロが有名。マグロ丼にのっていたマグロは冷凍物とは違う味がする。しっかりおいしかった。もう店じまいの間際だったからかシイラのフライもただでつけてもらった。

 

紀伊勝浦を17:10に出る特急に乗ると、うまく名古屋で連結して新幹線で帰れるはずだった。電車の事故があったとやらで、紀伊勝浦駅を出るのが8分くらい遅れた。これではギリギリ名古屋で乗ろうとしていた新幹線に乗れない、と思っていたのだが、4時間くらい乗っているうちに運転手さんが頑張ってくれて名古屋に着く頃には遅れはなくなっていた。

名古屋についたのは21時頃。和歌山から名古屋、それはとても遠いのだ。とても遠いので帰ることの実感が湧いたのはよかった。飛行機で帰ると、朝いた場所と、帰ったときにいる場所の世界が短時間で変わりすぎて、なんだか不思議な感じがするのだが、今回はそれがなかったので。

こうして和歌山の旅は終わった。水槽のメダカや金魚が暑さで死ぬことを心配していたのだが、メダカが1匹だけ暑さで沈んでしまっていた。もっとひどい事態も覚悟していたんで、これくらいで済んで良かったかなと思った。